今日は、武蔵野公園から公民館まで歩いて、
室内で造形をたのしむ日。
朝の会。
ひとりずつ、「したいこと」「話したいこと」を話し、
みんなで聴く。前日の終わりの会で、
造形の準備があることはすでに話していたので、
「はさみでちょきちょき切りたい!」
「お部屋で工作する!」
という声が多いが、なかには、
「パパと遊びたい!」
「ロールケーキ(食べたい)!」
「ママに会いたい!」
「僕のこと『●●』と呼んでほしい!」という声も出た。
朝の会で大切にしているのは、
お互いの気持ちを伝えあい、聴きあうこと。
話す中身は、なんでもいい。
「今日したいこと」はもちろんだけど、
話したいことなら、なんでも話せる時間にしている。
保育者も保育当番のお母さんも、
ひとりずつ、同じように話す。
大人も子どもも、今日一日、
クスクスで過ごす仲間のひとりだから。
さて、たっぷり朝の会を楽しんだ後、
約1キロの道のりを30分かけて、
ゆっくり歩いて、公民館に到着。
材料は、黒画用紙と、
この前の造形で体と絵の具を使って遊んだ模造紙。
ひとりひとりに配ったら、
各自、思い思いに創作にとりかかる。
何をしたらいいか戸惑っている子のために、
「模造紙をはさみで切って、
黒画用紙に貼ったら、どうだろうか」と提案するものの、
材料を手にしたときから、
すでにイメージを膨らませている子もちらほら。
Srくんは、黙々と、黒画用紙を切り刻む。
Tくんは、黒画用紙に、模造紙をつなげている。
Aくんは、Sくんに、2枚の黒画用紙をつなげて、宇宙を作ろうと誘っている。
材料の感触をひたすら楽しんでいたのはSちゃんだ。
のりを手にていねいに塗りつけ、手を真っ青にしている。
どの子の目も手も、真剣で、ぐっとちからが、こもっている。
造形の時間は、自然の中で、たくさん吸収している何かを、だしきる時間。
作品のできあがりよりも、目がキラキラする時間そのものが、愛おしい。
(文:保育者さいこ)