ある日のプレクスクス。
Tyくんからの「さいこさーん、きょうえのぐ持ってる?」から、
えのぐ遊びが始まりました。
ごそごそ道具を出して、
Tyくんが大きな紙に指でえのぐを塗り始めると、
Hnちゃんが近づいてきました。
Tyくんは、短い線をつないで、長い1本の線に、「----」
Hnちゃんは、たてに線を並べます。「||||」
お互いに横目で見ながら、描いているうちに、
お互いの線もどんどん近づいてきて、
とうとうつながりました。
TyくんもHnちゃんも顔を見合わせて、
思わず笑顔に。
その様子を、じーーーと見つめるTkくん。
気になるようだけど、決してえのぐには触れようとはしません。
えのぐには触れない代わりに、
おおきな紙に向かって、「えいっ!」と、蹴りを入れます。
すると、落ち葉が数枚、はらりと紙にのっかりました。
せっかくのっかった落ち葉ですもの、
セロハンテープでちょこっとはりつけてみると、
Hnちゃんはこの作業にも興味しんしん。
落ち葉をはりつけ、はりつけしているうちに、
セロハンテープだけをはりつけること自体に夢中に。
一方、Tyくんはまだまだ、えのぐに没頭。
最後に「お父さんと(えのぐ)したいから、これちょうだい」と言い、
紙とえのぐ一式を大切そうに持ち帰りました。
3歳さんがえのぐ遊びを楽しむ周りで
2歳のAくんと1歳半のMちゃんは、何をしているのかというと・・・
ちらちら見に来ては、また思い思いの場所で遊んでいました。
Aくんは、目下、もぐら塚で、
自らの手をダンプカーやショベルカーに模して、
土をあちらこちらに運ぶのが大好き。
Mちゃんは、ただただひたすら風を感じて、
気持ちよさげに歩く。
子ども自身の「やりたいこと」を、
自分の「やりたいタイミング」で、
「やりたいだけ」存分に遊びきる子どもたち。
そして、その様子を
おだやかに包み込むように見守る母たち。
プレクスクスは、親子一緒に、
自然を、仲間を、そして自分自身を
じっくりゆっくり味わう、ひととき。
(文:保育者さいこ)